ちーの目で見た二万七千光年の旅〜世紀末の少年〜 
2000.10.16 19:00〜 PARCO劇場

無名人の腰についてるのはオモチャの刀です。青いの。

無名人 (三宅健)
夢遊病? 『誰でもない』 
指をちぎる=契り 心臓に妹が

益荒男(山口紗弥加)
『僕は少年だ!』 みゆきちゃん
洗面器ですくう=救う

どう考えても『ストーリーを追っていく』タイプの舞台ではないので、断片的にイラストとちーなりの解釈を載せていきたいと思います。

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロブロードウェイにいる妄想にひたる益荒男(この妄想癖…他人とは思えない)の元へ突如『お兄ちゃーん!』と現れる少年…(左図参照)。…声が…アホの坂田のモノマネ声かと思った・・・ら…。

中盤でステージ駆けまわるバスケット軍団に紛れてアホの坂田のモノマネで通りすぎる無名人…(苦笑)。 可愛い可愛い可愛い…

 「メンソレータムを塗る白くて長い指が、下へ伸びていって…」云々…のシーン…。腿に手を挟んでモゾモゾな無名人…ラブリー。>の絵だとアレだけどちゃんと『少年』な声で言ってるから余計エロかった…。
 他にエロ可愛いシーンといえば…『教養女』(赤の他人どころか初対面)に「おかえり」と迎えられ、「お風呂にする?ご飯にする?」にお布団に教養女組み敷いて「いっちにっさっんしっ」って腕立てふせ(笑)。<しかも夫の目の前でってゆーグレイトさ加減…。

大体随所にちりばめられたキーワードが、『指』だの『少年』だの『夜』だの『夢遊病』だの『世紀末』だの…なんつーか…20歳前後の妙な情熱(って言葉も出てきたな)を思い出させるような…いちいちツボなの。

風が…風が…で、その指フェチ無名人(違う)。客席に下りて観客の指を見て回る! ちーは前から2列目通路側というスペシャルな席だったので、横を通っていったのよ・・・。カミコン越える近さで…。素通りしてって、ちーの3列くらい後ろの人に『白くてきれい…でも短い』って(苦笑)。(『これ足の指だ』ってのもあり)

小さい劇場ならではの、客席でのパフォーマンスも多かったです。 それがすっごく楽しかった。感想が、『話はよく わからないけど面白かった』 って、まさにパンフレットに書いてあるそのまんまだったんだけど。そういうトコがねー、なんか、『舞台観に行った』ってより、 『遊んでもらった』ってカンジなの。
スケボーとかのバンクみたいなステージを駆けあがる2人。パワフル。

芸術男と教養女の家にて。

もはや人肉を食うのも当たり前になった290世紀の世界にて。20世紀の遺跡のTV番組を見ていた教養女と芸術男。 「20世紀当時の奇怪な娯楽番組…ザ少年倶楽部」…ってIN THE WIND流れ出して健くん(あえて)踊る! …その後、芸術男『真ん中(もちろん健くん)以外踊りバラバラだったじゃないか』(笑)。左はその後、無名人、夫婦の布団(万年床くさいこの家…)の上でカミコンの健くんウチワ拾う…の図。右は健くんうっかりNG。知らない人の家にズカズカ上がりこんできた無名人なのに、「松澤さん」って(笑)。客席ク何やっても可愛いって思っちゃう…スクス笑って拍手(笑)。 

ちょっと見てて怖かったの。で、いきなりシリアスなシーンです。クライマックス。益荒男の『人を救う』為の洗面器で益荒男をガンガン殴る無名人。洗面器はもうひしゃげちゃってすごいの。…健くんのこんなハードなシーン、初めて見たんだけど…すっごくいい…。狂気、とかそういうの、これからももっと演じて欲しいなぁと思った。血判状に包んで持ってるのは切り取った指…とかその辺からがすっごくいいの…。

で、ラストシーン…。無名人に撲殺された益荒男。帽子脱げて長い髪が…。これってやっぱ益荒男が妹、そして『みゆきちゃん』だった…んだよ…ね?これがラストシーン

カーテンコール…。2度目でまた『INTHEWIND』流れて・・・1回目は他の出演者の方々同様、きちんとした顔でお辞儀した健くんも、いつもの『健くんスマイル』で客席に手を振る…。眩しかった…。もう無名人の時と違うのー。

『少年』と言うには、間近で見た健くんは少し男過ぎるかも。こけた頬、太い首、力強い腕…。ちーのイメージでは少年必須アイテムは、細い手足・日に焼けた肌・輝いた目、なのね。どちらかと言うと紗弥加ちゃんの方が、いわゆる『少年』っぽかった。イメージ的にね(いや顔は睫毛バチバチですっごく可愛らしい女の子なんだけど)。
(絶滅した)『少年』という言葉に純粋なものと残酷さ、みたいなものを重ね合わせてる、それがすっごくこの二人に出てたと思う(あと最後の施設の子供たちの言葉とか)。 みんなが「有名になりたい」「有名になるためなら何だってする(ってタバスコ&ドライアイス入りかき氷食して血を流す『有名人』…)」って言ってる子供たちの中、「誰だ」と問われて「誰でもない!」と言い切る無名人と、「そーゆー事言ってっと偽善者とか井ノ原快彦とか言われんだよ!」と言われても「僕がみんなを救うんだ!」と洗面器を掲げる益荒男のまっすぐさはとっても『少年』でした。